管長の修行問答

2015.03.01

内面の葛藤

人は葛藤により成長し遂に葛藤を消失させて仏陀となる

内面に葛藤のない人は何も起こらないでしょうか?※本問答は2015年3月・345号のものです。

2015.02.01

文化の伝承

家・町村・教育の現場の自覚なくしては早晩消滅する

文化や伝統を残すにはどうしたらよいのでしょうか?時代が代わればそれらが変わるのは当然とはいえ、その地に住む人が誇れる優れたものは残っていくべきだと思います。その真髄は、恐らく精神性を残すことだと思いますが、それこそ文字で残すのは難しく、形式や形となったものから、それの通りに行うことで、後世の人がそこから自らが悟り得るしかないと思います。如何でしょうか。(東京・S)※本問答は2015年2月・344号のものです。

2015.01.01

智慧なる器

知恵は知識から生まれ智慧は深理への理解から生まれる

十徳目の智慧の徳目に関してお伺いすることを御許し下さい。智慧(ちえ)について御説きになっている九つ目の徳目に「智慧とは研ぎ澄まされた器である」とございます。我々は自分の「器」をいつもいつも、自分でいっぱいにしてしまっていて、「こうでないと私はだめだ」「これがないと死んでしまう」「こんなはずはない」等、握りしめた想いで満たしてしまっているのではないかと思います。その握りしめた想いを、「器」から一気に流し出してしまえたら、そこには只、そのものがあるのではないかと思います。器を研ぎ澄ますとは、こだわりの想いを捨て続けて、一時的ではなく、本当に捨てきった姿のことではないかと思いましたが、その様な考え方で宜しいでしょうか。(神奈川・S)※本問答は2015年1月・343号のものです。

2014.12.01

納骨と墓

墓は家系なので他名の者がそこに入ることは許されない

墓について御伺い申し上げます。嫁いだ長姉が夫と一緒に実家の墓に入りたいと申しております。理由は、お墓が都・京都にあり素敵だからです。このようなことで姓の異なる人を先祖代々の墓と書かれた墓に入れても宜しいのでしょうか。お寺さんは良いと言います。墓石は、中央に『先祖代々の墓』、両脇に小さく『○○家』とあり、『供養塔』として建てたものです。(大阪・K)※本問答は2014年12月・342号のものです。

2014.11.01

高齢者社会

一に健康、二に健康、楽しく運動し刺激ある生活を送れ

高齢化が進む現在、六十五歳以上の高齢者数が総人口の二五・〇%となり、国民の四人に一人が六五歳という時代を迎えました。介護であったり、長年の住処を離れ、グループホームや高齢者住宅の選択、といった身近な周囲の現実を目の当たりにし、これから高齢となる者達への心構えについて御教え戴ければ幸いです。(東京・Y)※本問答は2014年11月・341号のものです。

2014.11.01

礼と真心

礼とは裏表のない謙虚で素直な真心と高次の意識である

先日の講習会にて御教示頂きました「礼」というものが、いわゆる「礼儀」の礼というだけではなく、何か計り知れない程深いものに感じ、とても自分には「礼」の実行は無理ではないかと思いました。そこで、せめて物事に当たる時に「真心」を込めるようにしたら良いのではないかと思いましたが、その「真心」もよく分かってない様に思います。「真心」を込めるとは、真剣に一生懸命にやるということで宜しいでしょうか?「真心」とは一体どのようなものか御教示頂けましたら幸いです。何卒宜しく御願い申し上げます。(埼玉・M)※本問答は2014年11月・341号のものです。

2014.11.01

道・徳・仁・義・礼

より高次の意識は下位の意識を純粋な完成形で内包している

「老子様の言葉で、道を失いて後、徳あり、徳を失いて後、仁あり…と伺いました。仁の御説明の中で慈悲という言葉があったと思いますが、仁とは慈悲なのでしょうか。又、徳というものが復活すれば慈悲はなくなるのでしょうか。(埼玉・S)※本問答は2014年11月・341号のものです。

2014.09.01

終活と死後

最後の最後まで前向きに明るく霊の世界へ心向けて生きる事

死の備え「終活」がメディアでよく取り上げられ、エンディングノートを書く人が増えています。良い死を迎えるために備えておくべきことを、霊の観点、人間社会に於ける観点に分けて御教示頂けないでしょうか。(東京・U)※本問答は2014年9月・339号のものです。

2014.09.01

夢の世界

強い意識で自己を改善しない限り夢も同様にしか見れない

人の夢の話を聞くと、映画のように波瀾万丈でストーリーがあったり、夢の中で色々思考したり、これは夢だとはっきり認識したりと、非常に鮮明なようで驚きます。私の夢は、もっとぼやっとして感覚的で、はっきりした印象が残っていません。夢を想い出そうという努力をあまりしていないせいかもしれませんが、ぼやっとした夢というのが、日常の自分の意識傾向と共通するようで、これは拙いのではないか、と最近気になっています。意識して改善すべきでしょうか。またこうした意識は、死後に悪い影響があるでしょうか。(東京・R)※本問答は2014年9月・339号のものです。

2014.07.01

ディベート力

毎日一時間自分と正反対の意見を論理的に言い続けよ!

①社会で働くようになり、自分の考えや感じていることを言葉にして誤解なく伝える術に長けているか否かは、特にビジネスの世界では生命線だと思うようになりました。この能力をいつ身に付けるかといえば、やはり親子の会話だと思います。私は親と、あるテーマについて議論を交わすようなことをしてこなかったから苦手なのだろうと思います。意見を否定されるとすぐに萎縮しますし、反発してしまいます。おおむね日本人は苦手な能力だとは思いますが、どうしたらこれからでもこういった能力が身に付きますか?
②また子供にはどんな接し方を心がけたら能力を伸ばしてあげられるでしょうか?(東京・U)※本問答は2014年7月・337号のものです。