年中行事

浄化された霊が河へと吸い込まれていく様子

古式ゆかしく 神仏習合の祈り

年末年始に行なわれる「祈願修法」「祓い修法」は、自然豊かな「お山」にて執り行われます。春には桜、夏には川のせせらぎ、秋には紅葉、冬は銀世界が出迎えてくれるこの地で、天への祈りを捧げます。

主な年中行事

12月 大晦日 お山にて大祓い修法

年末大晦日には一年の穢れを祓う、「大祓い修法」がお山にて執り行なわれます。零下10度にもなる厳寒の川の中での10分以上にもわたる命懸けの みそぎ が行なわれます。

元旦 お山にて祈願修法

本会のお焚き上げは大晦日に大祓い修法を、元日に祈願修法が行なわれます。古来より日本に伝わる神道の修法をもとに、神仏習合で執り行われています。観自在菩薩様、不動明王様を御祀りし、諸仏諸菩薩の御加護の中、天地に捧ぐ赤心の祈りと共に、只管に護摩木が炎に投じられます。まさに、御神仏の「大慈大悲」顕現の修法といえます。形あるこの世界だからこそ、目に見えない御神仏の存在に触れさせて頂ける大変有難い機会となっています。

ときにマイナス10℃になる厳寒の中修法がなされます

4月 灌仏会(長時間の坐禅)

灌仏会 かんぶつえ は、お釈迦様がお生まれになった4月8日をお祝いする仏教行事です。

一般的には「花まつり」の名で呼ばれ、多くの花で飾られた花御堂の中にいらっしゃるお釈迦様の像に甘茶をかけてお祝いします。これは、お釈迦様がお生まれになった時、天から降りてこられた神々が甘露の水を注ぎ祝福したという経典の一節が由来とされています。

維摩會では、毎年4月8日に近い日曜日に3時間以上の坐禅を行ない、この日をお祝いします。多くの仲間とともに行なう坐禅は日常できない貴重な機会であり、大変良い修行となっています。

6月  夏越 なご しの はら

日本における「 はらい 」の歴史は古く、古墳時代中期には痕跡が見られ、701年 大宝律令 たいほうりつりょう で、他のお祭りと一緒に「 大祓 おおはらい 」も法律により実施が定められました。平安時代、毎年6月と12月の晦日に京都御所の 朱雀門 すざくもん で大祓式が行なわれました。皇族、大臣以下役人らが集い、 大祓詞 おおはらえのことば が奏上され、国全体を はら い、 蘇生 そせい することを信じ行なわれたものです。大祓の 祝詞 のりと である『大祓詞』は、古くは、 中臣祓 なかとみのはらえ 中臣祭文 なかとみのさいもん とも呼ばれ、時代の変遷を経て、 陰陽道 おんみょうどう 密教 みっきょう 習合 しゅうごう し、呪文のような御利益が得られると祈祷の場で用いられるなど、仏教にも取り入れられました。例えば、 東大寺修二会 とうだいじしゅにえ (お水取り)が有名です。

  はらい は、 大麻 たいま さかき の枝の先に麻や紙をつけたもの)を用いて祓い、 みそぎ は、水で けが れを流し消し去ります。後に自分に見立てた 形代 かたしろ (人形)に罪や災いを移し流すようになりました。 形式は、時代や地域で次第に変化していきました。宮中で盛大に行なわれていた大祓式は、 応仁 おうにん らん を契機に一時途絶えたのに対し、民間ではさらに広がっていきました。いつの頃からか、6月の大祓を 夏越 なご しの はらい と呼ぶようになり、 かや で作った「 」を作り、それを回って 無病息災 むびょうそくさい を祈ります。

  維摩會 ゆいまかい でも、神事『 夏越しなご はら い』を行ない、その年後半に向けまた心新たにしています。毎年、有志により完全に天然素材だけで手作りの茅の輪を作成します。茅取りから多くの会員の皆さんが協力して作り、夏越の祓いの会場には、清々しい茅の香りが満ち溢れます。

本会では毎年有志によって が手づくりされています。

お山でのご奉仕

神事・修法の下準備は、年間を通して行なわれます。冬が来る前に、有志によって小川の泥さらい、草取り、木の切り出しなどを済ませます。都会でのデスクワークでなまった心身には、ちょうどよい気分転換にもなります。
労働後の食事が実に美味しい! 感謝のひとときです。

空気の澄んだ「お山」では大自然の息吹が感じられます。