月曜メルマガ

2024.04.22

vol.681 美しさに感動するとき

もう紫陽花の葉が大きく育っていてビックリです。街路樹のハナミズキも咲いているし、季節は花々に彩られて美しいですね。ツツジの花を見ながら、ああ蜜を吸ってみたいと思ってしまいました(50年ぶりに)。

今、そちらに何が咲いていますか?

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今週のメルマガ担当、絵を描くのが大好きで、紙と鉛筆さえ与えておけば、いつまでも絵の世界に入って描き続けているような子供でした。わら半紙を100枚買って貰った時の嬉しさたるや! 大いに幸せを味わいました。紙の上に一本の線を引いた途端、もうそこから世界が始まるのです。

小学校で水彩画が始まり、その頃、自分は家にあった百科事典を毎日開き、世界の作家達の作品を眺めては、ああ、こんな絵が描きたいと憧れていました。今の季節の頃だったか、ある時、校庭で絵を描く図工の時間、画板を首から下げて集まった生徒たちは諸々の場所へ。

自分は校舎の裏にあった鶏小屋のニワトリをモチーフにし、図鑑で観た「ムンクの叫び」の小さな写真を思い出しながら、「あんな絵にしたい!」という強い欲求に従って描き始めたところ、一筆、うむむ・・・何か違う。そして一筆。随分違う。出来上がった絵は、全部同じ太い筆を使ってニワトリを囲ったせいで、永谷園のお茶づけの袋の色の曲線の中にニワトリが浮いているように見えます。

そこへ担任の先生が来て一瞬ぐっと言葉に詰まってから「へええ、面白い絵を描いたね」と、ひと言。

描いた絵に納得が行かないまま何が違うのか考えこみました。今よく見れば、ムンクの画は病的であり幻想のようでありながら、ただ作者が思った通りにバックを線で囲っているのではなく、空や水面と大地(橋)を描き分けて空間が表わされ、ある意味の秩序があると思います。あの時の自分は目の前の物を素直に観て描こうと思ったのではなく、少し得意がって持っていない技巧を使ってやろうと思った、あの絵はその結果でした。

桜が終わり、緑は勢いよく生い茂り街路樹や植え込みにも花が咲き出しています。素直に美しいと思うとき、そこに現実の形を通して私達が本質を見ている瞬間があるからではないかと思います。

桜01

美しく咲く桜(和歌山県)

今日のPHOTO

和歌山県の「水無月 響」さんから頂きました。毎年、美しい桜の写真を送ってくださいます。

例年はどの桜も歩調を合わせての開花ですが、今年は木々によってバラバラで、開花状態に差が激しい様子が気になったそうです。それでも、「花に目を向けると、広がった花弁の薄紅には安堵が湧きます。今年も見ることが出来た。そんな幸せを想います。」と頂きました。

優しい雨がさまざまな穀物を潤す「穀雨」の候です。生き生きと成長する、この季節の気を全身に受けて、私たちも進んでいきましょう。今週もどうぞお元気で!

桜04
桜02
桜03