管長の修行問答

2023.07.01

動物の法要

執着することなく家族で時々思い出してあげる程度で充分

昨年、可愛がっていた柴犬が亡くなりました。ペット霊園で火葬にして供養をしていただいていますが、一周忌の供養も考えていますが、動物の場合も人間と同じようにしても問題ないでしょうか。(福島・H)※本問答は2023年7月・445号のものです。

昔は動物が死んで法要するなど有り得なかった。今時は人間が動物に近くなったのか動物の法要が珍しくなくなっている。まあ特別に可愛がり家族同然となっていたペットの死に動揺し供養したいと考えるのは不自然ではない。象ですら毎年家族の墓に参ることが知られている。そう考えれば、人が愛犬を供養することが問題とは考えにくい。人間のレベルと同じにしてはいけないが、ペットなりに軽い形で供養してあげるのは、ペットのためというよりは自分のために救いとなるであろう。その意味で一周忌の供養をすることは別段問題ない。

但し、一周忌をやれば充分である。というか別段法要などと堅苦しい考えでなく、家族で「亡くなって一年が経ったね…」程度に昔を懐かしみ振り返る程度で充分である。それ以上の強い思いを持つべきではない。そこに商売上手な業者を介在させる必要はない。早く卒業するように!