管長の修行問答

2010.03.22

愛車と公害

古い車と少排ガス車とどちらに乗るか

昭和63年からずっと同じ車に乗っています。愛着があるので。昨今、公害問題がありますが、やはり今の時代の(排気ガスの少ない)車に乗るべきでしょうか。逆に古くても乗れる車は乗った方がよいとも聞いたことがあります(ゴミにならないから公害にならない)。何卒お教え下さい。(30代 サービス関係)

現実的解決策と共に普遍的価値観を体することが大切

結論から言えば、さっさとマフラーを改造することである。
勿論、暴走族のように改造するのではなく、排ガスが出ないように改造するのである。
10万以内で出来ると思われるので、そうすることだ。
あなたの悩みは簡単に解決することになる。

因みに、廃車と排ガスとどちらが公害度が高いかと言うと、人体に直接的に即悪影響を及ぼすという意味で、排ガスの方が問題である。
しかも、毎日継続されるとなると、人体や地球の温暖化など様々な悪影響があることを思えば、より低公害のハイブリッド車に換えるべきである。

勿論、昨今の古くならないうちに新車に買い換えるというやり方は、一つの考え方ではあるのだが、公害ということを考慮した時には、考えなければならない問題である。
少なくとも、新車を買ったら、充分使い切った後に廃車にすべきで、その際も、これ以上使うと危険という所まで、使い切っておく必要がある。

元々、大気を汚し、害をばら撒いている車に乗る事自体、因縁的には悪い種子を播いていることに他ならず、我々の生活そのものが、かなりの悪因縁の素になっていることを自覚する必要がある。
その上で、敢えて車を利用するという事である。
もし、使わないで済むのならば、使わない事にこしたことはない。

人類は、便利さを求めて生きてきた。
その結果として、自然に合致した生活から随分と乖離した生き方を選んでしまっている。
それは、自然を破壊し、地球の営みすら狂わせている。
何とも空恐ろしい現実に、我々が生きていることだけは確かである。

だからと言って、人類が縄文時代が如き生き方をする方が、正しいと言うのではない。
世間にはそういった自然回帰論が存在するが、それは誤りである。
明らかに、神様は進化を望まれている。
文明の発達は、重要な人類の課題であるのだ。

要は、進化と自然破壊とを、対立させない事にある。
だから、21世紀の文明は、この自然と対立する事のない科学の進化が求められているのだ。
全ては相対的な価値の中でしか進まないという事実に支配されている。