管長の修行問答

2008.09.13

純性純化の象として用いらる

死後、霊が成仏、供養の為に水が非常に重要な気がします。その関係性についてご回答をお願いします。

死霊にとって、水は欠かせないものである。
それは、死後の世界においても、飲食を行なうからである。
自分で水や食物を作り出せない彼らにとって、子孫なりが、供物を捧げてくれることは大変有難いことなのである。
特に水は、人間生活を考えても分かるように、食物よりも重要である。
同様の原理が、低い霊の世界でも作用しているのだ。

また、水には無色透明という性質から、純性を暗示しており、その純性に穢(けが)れを浄(きよ)めんとする心作用が働いているのだ。
これが更に突出した時には、神仏に捧げる陽水としての役割を担うことになる。
神仏が水を飲まれるなどされないのであるが、人間側の心情を捧げる形として、この儀式が日常営まれているのである。

これが西洋や中東になってくると、必ずしも飲んで頂くという形での水を捧げることはなくなってくる。
供養の主となるものは、灯明と香である。
この点に関しては、東洋の比ではなく、重厚である。