管長の修行問答
2008.09.09
歯科医
歯は削らないを旨とし患者から痛みを除くこと
- 会報誌に歯科医は歯を削り取ってしまうのでダメだとありました。先生の真意は治療の都合で健全な歯質を削ってしまう事が良くないという意味でよろしいでしょうか。また歯科医の心構えを御教示頂きたいと存じます。
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歯は徒に削るものではない。
二十年前ですら間違っていたといえるのに、いまなお続けている歯科医が多すぎる。
歯は人生にとって非常に重要な肉体の一部である。単に虫歯になると痛いからといった程度のことではなく、人生に対する意欲すら失なわせる程の存在であることを、歯科医が自覚していない所に問題があるのだ。
接着剤等にしても研究開発の努力が足りなすぎる。私の指摘はあなたが言う通りである。
健全な部分まで削ることは絶対に許されない!
いくらでも、他に良い方法がなくてはならない程に、医学も科学も化学も生物学も進化しているというのに、全人類がお世話になる歯科の研究努力の余りのお粗末さに、私は怒っているのだ。歯科医の心構えは「削らない」である。
特に子供と老人が多いだけに、痛みのない治療を心がけてやることだ。
それだけで、あなたは商売しながら徳が積めるという二重の悦びを得ることが出来るのである。