管長の修行問答

2008.08.18

祈り

打算なく欲心なく只素直に神を讃えよ

「神様の御心に適う事なのだから」と思うのですが、よいでしょうか。お祈りをする時の注意点をお聞かせ下さい。

基本的に、あなたの考えで良い。その様に生きていくことである。

それで良い。祈りというものは、とにかく純粋でなければならない。
そこに打算があってはならない。また、欲望のもとに為してもならない。
只管に、神の御心のままに何事もが成ることを祈り続けるだけであるのだ。
理屈をそこに持ち込むものでもない。欲望も持ち込むことでもない。嘆きを訴えることでもない。

敢えて許されるとしたならば、子が母に甘えるが如き甘えだけである。
しかしそれも単なる依存心となり、実生活に生かされない祈りとなったのでは、神は認められない。
どんなに甘えても、一人間としては、やはり力強くあることを神は望んでおられるからである。
それは、常日頃、努力精進し、決して折れることのない人間がたまに、その疲労を癒すために、休日をとり、ゆったりと心を解放するような如きであるのだ。

では、心弱き者が祈ることは許されないのかといえば、勿論その様なことなない。
弱いからこそ一層の祈りを必要とするのだから。
人は皆弱いものである。
強いものも、それは所詮相対の域を出ず、神への祈りこそが人生であるのだ。