月曜メルマガ
2025.09.29
vol.756 ミツバチの用心棒
朝夕と過ごしやすくなってきましたね。先日外に出た際に見上げると、頭上には高くてすっきりとした秋空が広がっていました。秋らしい空の下を歩いていると、気持ちまで何だか穏やかになってくるようでした。
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子どもの頃、家にはミツバチの巣箱が軒下にありました。木製の四角い箱で、中には木枠の巣が何枚も入っていて、そこにミツバチが巣を作っていました。父親が作物の受粉のために飼い始めたものです。ミツバチたちはその巣箱から日々飛び立ち、忙しそうに蜜集めに飛び回っていました。ミツバチたちは基本的には穏やかで、刺激しない限り人を襲うことはなく、ブンブンと飛び回る羽音は、ある種穏やかな日常の音でもありました。
この時期、そのミツバチたちを襲いに、どこからともなくスズメバチが飛来することがありました。ミツバチやその幼虫を自分たちのエサにすべくやってくるのです。それは、いきなり集団で襲ってくることはなく、まずは1、2匹が先遣隊として飛んできます。ミツバチと比べると明らかに巨体で、凶暴そうな顔つき。力の差は歴然でした。巣箱の近くまで来てホバリングしながら襲うタイミングを見計らっていました。
小学生ぐらいだった私はそれを発見するたびに、「うちのかわいいミツバチたちに何をする!」とでも言わんばかりに、家にあった大きなノコギリの柄をを持って、バットよろしく一振り。ノコギリの歯の側面でホバリングするスズメバチを叩き落とすという、ミツバチたちの用心棒役をしていたのです。
その多少の貢献もあったのか、ミツバチたちは、巣箱にたっぷりと蜜を蓄えてくれます。木枠の巣を取り出して表面を覆う薄いミツロウをナイフで削ると、六角形の巣穴全体に蜜があふれ滴り落ちてきます。その巣を削ってミツロウでできた巣ごと口に放り込むと、噛むたびに濃厚で甘い蜜の味が口全体に広がりました。それは子どもにとって強烈な大自然の味そのものだったように思います。
今日のPHOTO
千葉のすばるさんから頂きました!
「9/13,14の両日、南房総随一の『やわたんまち』が開催されています。全国各地でお祭りが行なわれていると思いますが、毎年、お祭りができる日本であってほしいです。」