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2023.07.24

vol.642 災害への備え

関東甲信、東北に続いて、九州南部でも梅雨が開けました(九州北部と山口の皆様、もう少しですね!)。
これから厳しい暑さが続くと予想されています。こまめに水分補給をするなど、熱中症には充分に気をつけてお過ごしください。

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近年、日本各地で大きな地震が続いています。歴史を振り返れば、日本列島は周期的に大きな地震や噴火に見舞われてきました。大きな被害と戦いながら、日本には防災の知恵が根付いてきたのですね。

大正12年(1923年)の関東大震災は、忘れられない大災害の一つです。
ちょうどお昼時で火を使っていた家が多かったため、倒れた家屋から次々と出火し、東京、横浜を中心に大火災が起きました。北上中の台風による強風がさらに火災を大きくし、東京の4割が焼けたと言います。
そんな中、周囲は全て焼け落ちたのに、浅草の浅草寺だけはぽつんと焼失を免れ、避難していた7万の人々が助かったという話をテレビでやっていました。いまは外国人で賑わっている仲見世まで火の手が及んだものの、本堂は無事で、焼け残ったのは奇蹟と言われました。

番組では、延焼を食い止めたのは、当時、浅草寺の周辺に沢山植えられていた銀杏の木だと言っていました。銀杏の葉は水分の含有量が多く(含水量73.7%、他の木の葉は55%~60%)、火に強いため天然の防火壁となったと考えられるそうです。

また、大きな広場があり燃えるものがなかったため、火の広がりを食い止めることができたとも、浅草寺の御本尊の聖観音様の御利益だとも、当時必死に消火活動をした江戸の人々のお陰だとも言われています。きっとどれもが真実で、不思議な力によって守られたのだろうという気がします。

こうした記録は、いつの間にか忘れられ、風化していってしまいます。天災は忘れた頃にやってくる、と小さい頃よく習いましたが、それならなおさらのこと、忘れずにいたいものです。

今日のPHOTO

神奈川のTさんから頂いた浅草寺の写真です。

手水舎の天井にはパワーのある「墨絵の龍」。八角形錆御影石造りの手水鉢の上には、かつて本堂裏にあった噴水に安置されていたという高村光雲作の龍神像(沙竭羅龍王像)が。りっぱな、そして力強いお水舎です。

本部会館周辺でも、蝉の声が響くようになりました。「蝉時雨(せみしぐれ)」と思うと、何となく涼しいような気がします。
暑い日が続きますが、どうぞ上手に涼をとりながら、快適にお過ごしください!

手水舎の天井画手水舎の天井画