集い

ちょっとひと休み。本会ならではの楽しい催しをご紹介します。


忘年会

毎年年末には「歌あり、ダンスあり、劇あり」の楽しい忘年会を開催しています。

東洋哲学研究会による「論語劇」

論語を学んでいる者たちで、毎年テーマを決めて忘年会で劇を行っています。2021年は「孝と直」でした。

「論語」の要点は、真心を持ち、思いやりの気持ちという忠恕、仁を尊ぶところだと思います。
その基本は、親孝行の孝、兄や年長者に従う悌、孝悌の徳目です。

孔子様は、社会秩序の乱れた時代にあって、五常(仁義礼智信)八徳(孝悌忠信礼義廉恥)により国を治めていく徳治政治を理想とされていました。
古代中国において聖人君子が政治を司り、民衆にも徳があった、尭・舜・禹帝の時代を理想とされていたのです。

我が国においてはどうでしょう。「古事記」によれば、「論語」は3世紀の終わり頃に朝鮮半島の百済から應神天皇に献上され、日本にもたらされています。あの聖德太子が制定した「十七条憲法」の第一条に「和をもって尊しとなす」とありますが、これは『論語』の教えから来ているものです。

その後、江戸期には武士のみならず、庶民の間にも論語の教えが広まり、以降日本人の精神的なバックボーンとなっていきました。武士道に代表される日本人の精神性の高さは、世界から一目置かれ尊敬もされていますが、それは「論語」によって裏打ちされていると言ってよいものです。

江戸末期から明治時代、日本は目覚ましい近代化を成し遂げましたが、それも日本人の精神にこうした高度な哲学が根付いていたため、健全になされたことが大きかったと考えております。

しかしいつしかそれを忘れ、更に敗戦によりこの日本人の核となっていた精神や哲学は否定されてしまうことになりました。同時に多くの日本人が日本人としての誇りと自信を失ってしまいました。私たち有志は、この状況に一石を投じたい。この論語劇を通して、生きる哲学としての論語を知って欲しい。そうした思いから今回の劇を演じました。

論語劇をご覧になって、忠恕、仁について心を寄せていただければ幸いです。

(ちょっと下手なところは恕の心で寛容にお聴きください。)