春分の日

春季皇霊祭と春季神殿祭

春分の日(今年は三月二十日)は、昼と夜の長さが同じ日です。春分の日には、宮中では「 春季皇霊祭 しゅんきこうれいさい 」が行なわれます。

明治十一年(一八七八)に、それまでの歴代天皇や主たる皇族の忌日を春分の日と秋分の日にまとめ 奉祀 ほうし されるようになったもので、一般の彼岸の先祖供養に相当する祭儀です。

皇居内には、神殿、 賢所 かしこどころ 、皇霊殿という宮中三殿があります。

「皇霊殿」に歴代天皇陛下、皇族の霊が祀られており、皇霊祭が行なわれます。天皇陛下が自ら行なわれる 御親祭 ごしんさい で、天皇陛下がお 告文 つげぶみ を読まれ、皇后陛下、皇太子殿下、皇太子妃殿下が拝礼されます。

また、宮中三殿の「神殿」には国内の様々な神様が祀られていますが、同日、神殿でこの神々の神恩に感謝する祭儀「春季神殿祭」も行なわれます。

これも御親祭です。

神宮では、「 春季皇霊祭遙拝 しゅんきこうれいさいようはい 」が行なわれます。

遥拝とは、遠くへだたった所から拝むことをいい、全国にある神社でも同様の祭祀が行なわれています。

現在の祝日法では、「自然をたたえ、生物をいつくしむことを趣旨としている」とありますが、祝日となっている意義があまりはっきりしません。

この祝日法は、昭和二十三年(一九四八)、戦後、GHQの占領下で施行されました。神道的、または伝統的意味づけを排除された祝日は他にも多くあります。
季節感が薄い現代ですが、出来るだけ自然に触れ、自然に対する感性は磨いていきたいものです。

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